人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ウドン釣りのウキ

ウドン釣りのウキ_f0378208_21011557.jpg
両ウドンの底釣り専用のウキっていうのは、今や釣り具屋さんで見かけることはほとんどない
麩餌を中心にヘラブナ釣りは構成されている時代なので、そもそもユーザーが少なすぎて商売にならないのが本当のところかな?
なぜウドンウキがまるでストローみたいな細長いスタイルなのかは僕にとって永年の疑問でもあった
茨木新池はかつてウドン専門の池だった歴史があり、今でもウドン専門の釣り師が多く、常連さんに可愛がってもらううちに徐々にウドンウキについてもわかってきた

ちなみに写真のウキは大ベテランのA師のウキの一部だ
手にしているウキの値段は目ん玉飛び出るくらいの超高級品
いったいどこで買ってくるのか聞いてみると、本人に直に頼むのだとか…
そりゃ一般市場には回らんわけですわ

うどんウキはなぜやたらと細長いウキなのか?
一般的にはおそらく真冬の両ウドンはサワリやアタリが繊細で小さなアタリが出せるからというのが通説やないかな?他に風に強いから、はたまた馴染んでからの安定感があり軽いウドンが安定してヘラが吸い込みやすいとか、小さなサワリが大きく出ると言ってる人もいたかな
たぶん、全部その通りなんやろうけど、じゃあ今の底釣り用のウキではあかんのか?ってなると全くそんなことはない
ウドンで釣ってるとわかるけど、シズ乗りが悪いものはホントにウキの戻りが悪くて本アタリを読むのに苦労するのだ
ウドン釣りで一番有名なGうどんの後藤田さんがシズ乗りに対して自重の三倍のシズが乗るのが最低ラインとおっしゃってられるのを聞いたことがあるが、まさにこれこそ戻りが出るラインではないかと思うのだ
ではウキのボディが2mmとかだと自重の三倍のシズを乗せるには当然長さが必要になるわけです
だから棒みたいに細長くなってるのか?って今なら思って当然なんやけど、実のところやや別の理由があるのも事実みたい

ヘラブナ釣りの全盛期はおそらくブラックバスなんかの疑似餌で釣れる対象魚が日本中で増える前のこと
1970年代あたりまでかな
この頃の箱池とか今で言う管理池には本釣りと楽釣りっていう釣り料金の違う釣り方が普通にあった
楽釣りは今と同じフラシを使わない完全なキャッチアンドリリースのことで、本釣りは釣った魚を1キロあたりいくらと決まった料金で池主が買い取る制度だったのだ
当然ながら本釣りは料金が高く設定されていてたのだ
釣り料金より買い取り料金のほうが上回ると儲けがでる算段になっている
池主の方は魚が痛まず、釣り人になるべく不利になるようなレギュレーションを設定してくる
これがエサはウドンでしかも粘りの少ない食用ウドンに限定(ワラビ禁止)、底釣りのみで落ち込みのアタリは無効、ハリはスレバリの6号以下、ウキは長さが20センチ以上とかに設定されていたわけです
大助(おおすけ)という、今で言うトロフィーサイズは1匹買い取りで例えば35cm〜38cm1枚200円、40cmまで400円、41cm1000円、42cm5000円なんて感じで夢のある設定がされてたりしたのだ
人の娯楽のトップはやはり賭事や儲けのでることなのだ
儲けがでることになると、なぜか人は真剣になるのですね…(儲けたけりゃ、釣りなんかしてないで働いてりゃいいのに)
おわかりの様に、そのようなレギュレーションからウキの長さを稼ぐ為に異常に細いウキが誕生せざるを得なかったというのがもうひとつの理由のようだ…
今では本釣りなんかやってたら池がやっていけないからそんな制度はすっかりなくなってしまったようです
(まあ、ほかにもちょっと公にできないような黒い理由もあったとかなかったとか…ね)

まあ、いろいろな理由があったにせよ、ウドン釣りで使うウドンウキには世界中に誇れる釣り文化の集大成のような趣きがあります
単純に釣果を伸ばす以上にこういう歴史を知った上で道具を使って魚を釣ることを楽しむのは新池に通う楽しみのひとつでもあるわけです







by ibashin | 2019-03-05 21:00 | 両ウドン | Comments(0)